ライドシェアに関して思うことを、つらつらと。
(2026.0701現時点での話なので考え方は変わる可能性があります)
「ライドシェアを解禁せよ!」という声
雨の日やイベント開催時にタクシーがつかまらないと、すぐに「ライドシェアを解禁せよ!」という声が上がります。
でも、一応、日本版ライドシェアはすでに始まっています。あくまでも「タクシーが足りない時間帯・地域を補完する制度」という位置付けです。
ただし、タクシー会社が管理しているため、誰でも気軽に運転手になって、アプリで呼ばれたら走る……という海外型のライドシェアとは違います。
現在、日本で乗用車を使って有償でお客様を乗せ、目的地まで運ぶことが認められているのは、基本的にタクシーだけです。
そのためには二種免許が必要です。
その二種免許を持たず、一種免許で運転する仕組みがライドシェアということになります。
一番大事なのは「責任の所在」
結局、何だかんだ言っても、一番大事なのは「責任の所在」だと思っています。
誰も管理しないライドシェアで事故が起きた場合、手配会社が責任を負うのか、それとも運転手個人が責任を負うのかを決めなければなりません。
もし運転手が責任を負うのであれば、それに見合った保険への加入も必要になります。
タクシーの場合は、対人8,000万円以上、物損200万円以上の任意保険への加入が義務です。(法人・個人とも必須で、加入していなければ営業許可は下りません。)
では、現在ライドシェアとして走っている車両は、その水準の保険に入っているのでしょうか。
ちなみに、個人タクシーで同等の任意保険に加入しようとすると、年間30万円近くかかります。
そこまで費用をかけてライドシェアをやる人が、どれだけいるでしょうか。
ライドシェア向けの保険は、1時間70~200円程度のものもあるようです。5時間働けば保険料だけで約1,000円。
(あくまでも事業者向けライドシェア保険なので、完全な個人ライドシェアならもっと高くなりそうですが……。)
小遣い稼ぎのために、毎回保険料を払い、自分の車のメンテナンス代やガソリン代まで考えると、本当に割に合うのでしょうか。
個人タクシーは簡単になれるものではない
似たような働き方として個人タクシーがあります。
しかし、個人タクシーは誰でもなれるわけではありません。
基本的には10年以上法人タクシーで乗務経験を積み、その上で個人タクシー開業の資格試験に合格しなければなりません。
さらに、試験に受かったらすぐ独立できるわけでもありません。
自宅を営業所にできるか、駐車場の条件は満たしているか、独立後の資金は十分かなど、さまざまな審査があり、認可まで約2~3か月かかります。
認可が下りても終わりではありません。
屋号入りの車両を準備し、営業所の写真を提出し、メーターの印字名を変更するなど、ようやく営業できる状態になって初めて独立となります。
現場の人が反発する理由
よく「タクシー運転手がライドシェアをやればいいじゃん」と言われます。
でも、法人タクシーの運転手も、二種免許を取得するために何度も一発試験を受けたり、会社負担で教習を受ける代わりに一定期間辞められなかったりと、さまざまな苦労をして今があります。
そうした工程をすべて飛ばして、一般ドライバーが「ライドシェアやりまーす!」となれば、正直、現場の人間が怒るのは当然だと思います。
自分たちが積み重ねてきたことが全部意味のないものだったと言われているように感じますし、「じゃあ、今まで何のためにやってきたの?」という気持ちにもなります。
「利権があるから新規参入できない」という話ではありません。
雲助や白タクのような無秩序な営業から利用者を守るために、今の制度が積み重ねられてきました。
その背景を知らずに、「ライドシェアがないから日本は遅れている」と言われると、物事全体を見ずに語っている人が多いな、と感じます。
私がライドシェアを認めてもいいと思う条件
ただ!
この話は、あくまでも都市部に限った話です。
都市部なら、少し待てばタクシーはたくさん走っています。
一方で、流し営業がほとんどなく、基本的に迎車しかないような地域については、本当にごく一部に限ってライドシェアがあってもいいと思っています。
ただし、営業エリアはガチガチに決めるべきです。
例えば福岡なら、「篠栗町から福岡市博多区吉塚まで」しか営業できない、といったような限定的な営業区域にする。
そこから先はタクシーに乗り換えてもらう。
そんな新しい営業区分を設けるのであれば、私は賛成です。
だって、取得するのが大変な二種免許は持っていないのですから。
最後に
ライドシェア専用の免許制度という案も考えました。
でも、それでは制度が複雑になりすぎるので、今回は却下。
物事は、わかりやすいほうがスムーズだと思います。



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