【第5回/全7回】一発合格への執念と、運命の試験当日

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第1章:誰でも立てるわけではない、スタートラインの重み

試験当日のお話をする前に、少しだけ「個人タクシーの試験を受けるための条件」について触れておきます。実は、この試験会場の椅子に座ること自体、一朝一夕でできることではありません。

  • 10年という長い歳月: タクシーやバスなどの運転経歴が10年以上必要です。
  • 無事故無違反の壁: 直近の数年間、大きな事故や違反がないこと。私の場合は結果的に11年という記録になりました。
  • 場所と金の準備: 営業所(車庫)の確保や、事業を始めるための自己資金の証明も必須です。

これだけの条件を揃え、会社から「在職証明書」をもらい、ようやく手にするのが受験票です。もちろん、万が一落ちたとしても、また3ヶ月後に受け直すことはできます。人生が終わるわけではありません。

でも、めんどくさがり屋の私にとって、それは「救い」でも何でもありませんでした。想像してみてください。あの二度手間な書類集めと、漢字だらけのテキストをもう一度開く苦行……。積み上げてきたこの「受験資格」を、試験一発でフイにして、また同じ面倒に浸かることだけは、何としても避けたかったのです。

第2章:最後の乗務、そしてハンドルを置いた日

実は、試験の4日前からすでに仕事は休んでいました。それほどまでに「一発で終わらせる」ことに集中していたのです。

そして、試験を受ける直前、法人タクシーとしての「最後の勤務」に、忘れられない出来事がありました。 最後のお客さまは、福岡空港の国際線から久留米のビジネスホテルまで。 距離も、時間も、そしてルートも、11年間の会社員ドライバーとしての締めくくりにふさわしい、見事な「一本」でした。

久留米でお客さまを下ろした時、「これでもう、法人タクシーとしての仕事は終わりでいい」と確信しました。私はそのまま、どこにも立ち寄ることなく真っ直ぐ会社へと車を走らせ、静かにハンドルを置きました。

試験当日。

13時から会場受付、13:45までに着席、14時から50分間の試験という予定。

万が一何かあってはいけないので、10時30分に家を出て、博多駅へ向かいました。

11:00。会場は、合同庁舎。会場近くの喫茶店に入り、お昼ご飯のサンドイッチとコーヒーを注文。ご飯を食べながら、最後の仕上げ勉強をしました。

そして、12:40頃、退店。

私は「二度手間だけは死んでも勘弁」という強烈な執念を胸に、会場の門をくぐりました。

==次回予告==

そして、試験がはじまる…

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